タチバナモドキの葉刈り

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雑木の全葉刈り。外側の賑やかな葉をすべて断ち切ると、内側の小さな芽に光と空気が届きます。今日ここで残した一芽が数年後の枝になる——その積み重ねを知ると、ハサミの入れどころが少し変わってくるかもしれません。

Uma / Fune
剪定 葉刈り ★★★ タチバナモドキ

外側の賑やかさを、疑う

葉が茂っている木は、元気そうに見えます。でも佐藤先生が見ているのは、その外側の繁茂ではなく、葉の陰に隠れた内側の小さな芽です。

密集した外葉は光を奪い、空気の流れを塞ぐ。内側の芽は弱り、やがて消えていく。外が賑やかであればあるほど、内側は静かに枯れつつある——その逆説に気づくことが、葉刈りの出発点です。

断ち切ることで、流れが変わる

全葉刈りは、外側の強さを一度手放す作業です。大きな葉を断ち切ると、外へ向かっていたエネルギーが内側へと向き直す。光が届き、空気が通り、これまで日陰にいた芽が動きはじめます。

残すのは、すでに展開した新芽と、内側の小さな可能性だけ。よく切れるハサミで、丁寧に、確実に。 葉を引っ張ると枝が傷つく。その傷はその先にある芽にも及ぶ。刃の切れ味を問うのは、樹への礼儀のようなものかもしれません。

自然を真似て、自然を超える

雑木は毎年、秋に葉を落とします。葉刈りはその「落葉」を、人の手で意図的に早める行為です。一年に二度の落葉が生まれることで、古さと風格が積み重なりやすくなる。自然の摂理に逆らうのではなく、その仕組みを深く理解した上で介入する——それが葉刈りの本質です。

時期については、従来「6〜7月」とされてきました。でも最近は、暑さの到来が早まっています。根が眠りにつく前に、4〜5月のうちに済ませておく。樹の状態を見て、季節を読んで、都度判断する。伝えられてきた定石は、あくまで出発点です。

今日の判断が、数年後の枝をつくる

内側に残した小さな芽は、やがて枝になります。その枝で、次の剪定ができる。繰り返すことで、樹形はじわじわとコンパクトに整っていく。

葉刈りは今年の話ではありません。今日ここで残した一つの芽が、三年後の枝を決めている。そう思いながら刃を入れると、一枚の葉の扱いが、少し変わってくるかもしれません。

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