取り木から数ヶ月。根が十分に育ったモミジを分離し、鉢へと移す作業です。八方根張りを意識しながら根を整え、双幹の足元をどう見せるかを考えながら植え付ける——その判断の準備は、取り木を始めたあの日からすでに始まっていました。
ポットを外す瞬間は、ひとつの答え合わせです。取り木が始まってから数ヶ月。根がどこまで育っているのか、土を落としてみるまでわかりません。
全方向に根が広がる八方根張り——それが理想です。でも今日確かめたいのは、量だけではありません。どの根を残し、どの根を落とすか。双幹のつなぎ目はできるだけ見せたい。それを妨げる根は、たとえ太くても切る。技術的な判断の奥に、美への意志があります。
鉢の前に座り、樹をゆっくりと回します。正面はどこか。双幹の表情をどう見せるか。角度が決まるまで、手は止まります。
でも、この問いは実は、取り木を始めたときからすでに始まっていました。環状剥離をどの位置に入れるか。根がどちらへ伸びてほしいか。植え付けの判断は今日下しますが、その答えを準備していたのは、数ヶ月前の自分です。取り木とは、逆算して想像する技法なのかもしれません。
取り木は「足元が気に入らない木を、上から作り直す」ための技法です。根の張り方が理想ではない。そんな素材でも、あきらめずに姿を整えられる。どんな欠点にも、向き合い直す入り口がある。
土を充填し、水を与え、温室に入れる。今日の作業はここで終わります。でもこの楓の時間は、止まりません。春の芽吹きを、静かに待ちます。
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Great progress and result. Thank you. Could you please share english subtitle as well?
Thanks for letting us know! Sorry about that — it’s fixed now, please check when you get a chance