盆栽の用土は四種類——山砂、赤玉土、桐生砂、竹炭。それぞれの性質と、松柏・雑木それぞれへの配合比率を、実物を手に取りながらひとつひとつ確かめていきます。土を選ぶことは、根が生きる環境を設計することです。
植え替えをするとき、まず考えるのは「何の土を使うか」です。ところが、その一歩手前から問いは始まります。土が根にとって何をするのか——そこから考えなければ、配合の数字はただの暗記になってしまう。
使う用土は四種類。山砂、赤玉土、桐生砂、竹炭。山砂は排水性が際立って高く、赤玉土は補水力が強い。桐生砂はその中間に位置し、竹炭は殺菌と排水の補助として加わります。それぞれに明確な役割があり、混ぜ合わせる比率によって、根の育ち方そのものが変わっていく。
注目するのは、山砂の形状です。粒子が丸ければ、根はそのまま沿って伸びていくだけ。ところが角張った粒子にぶつかると、根はそこで方向を変え、分岐する。
土の中の小さな抵抗が、細根の密度を育てていく。根の絶対量を増やすことが盆栽の健康の土台であり、だから土の粒子の形状に目が向きます。見えないところで積み重なるものが、樹の姿を決めていく。
松柏には山砂を六割、赤玉を四割、竹炭を少量。雑木は赤玉を七割に引き上げ、桐生砂を三割ほど。同じ竹炭を使いながら、配合は大きく違います。
その理由は、植え替えのサイクルにあります。松柏は数年に一度しか植え替えない。その長い時間のあいだ、根が健全でいられるためには排水性が要ります。土が乾くから根は水を探して伸びる——これは枯れるリスクではなく、成長の刺激なのです。雑木は早ければ一年おき。次の機会まで長くはないから、補水力を優先した配合で根を支える方が先です。
配合は、樹が生きる時間のスケールに合わせた設計です。どちらを選ぶかは、向き合う樹の姿が教えてくれます。
「どの土を使うか」という問いに答えるより先に、「この樹はこれからどう育っていくのか」を想像する。用土の話は、いつも樹の未来へつながっていきます。
根は、見えません。けれど整えられた土のなかで、確実に動いています。その動きを信じながら次の季節を待つこと——植え替えとは、そういう仕事なのかもしれません。
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