新木からの作り方 #2 針金掛け 棚作り

上級:舟 -Fune- 展示会への道

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真柏の正面を、ジンを仕上げてから問い直します。当初「裏」と見ていた面の幹の動きに気づき、正面を変えることになりました。雅風展への出品を控えながら、本来外すべき枝もボリューム優先で残し、針金で棚の形を整えていきます。

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改作 棚作り 針金かけ ★★★★ 真柏

正面は、最初に決めるものではない

ジンを仕上げ、硫黄合剤を塗り終えた。そこでいったん手を止め、木を遠くから眺めます。

作業前に「正面」と決めていた側。でも、ジンができてみると景色が変わっていました。当初の「裏」にあたる面を前傾させた瞬間、幹の動きがぐっと際立つ。正面は決めるものではなく、木が見せてくるもの——この真柏は、そうして自分の顔を明かしてくれました。

ひと巻目に、すべてが宿る

針金掛けに入ります。最初の一巻を、確実に。

ひと巻目が緩むと、その後どれだけ丁寧に巻いても枝は意図した位置に動かない。だから最初の一手が命です。一方、細枝には「優しく優しく」。強く巻きすぎると、捻転で枝が枯れる。この力加減は、言葉では説明しきれない。手が覚えるまで、掛け続けるしかありません。

知っているから、破れる

一の枝より下の枝は外す——針金掛けの基本です。でも今回は、雅風展の出品が近い。この木にはボリュームが要る。だから、あえてその枝を残しました。

展示会という条件が、この判断を後押しした。基本を知っているからこそ、今この木が必要としているものが見えてくる。

見えない角度が、正面を作る

真柏は、一枝で樹全体を形作れるほど自由な木です。その自由さのなかで問われるのが、棚(枝の層)をどれだけ明確に見せられるか。前のラインを確立してから後ろ枝を充て、空間を埋めていく。ドーム型のシルエットが整ってきたとき、木は初めて「立体」になります。

正面を作りながら、常に裏や側面を意識する。見えていない角度が、正面の美しさを支えている。

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