水やりの方法

初級:歩 -Ayumi- 基本の世話

ログインもしくは登録して動画を視聴しましょう。

黒松の水かけを中心に、ゴヨウマツや欅への向き合い方も。表面を一度湿らせてから与える二段階のやり方から、季節ごとの頻度、葉水、幹肌への気遣いまで。乾いたら水をやるという日々の繰り返しが、木を見る眼を育てていきます。

7:07
Ayumi / Uma / Fune
基礎管理 水やり ★★ 五葉松 黒松 通年

水をやる前に、木を見る

水かけは、盆栽の世話の中でいちばん地味に見えて、いちばん深い仕事かもしれません。ホースを持って鉢に向かう。ただそれだけのことに見えて、じつは毎回「この木は今日、乾いているか」という問いに答えているのです。

まず表面を一度軽く濡らし、水が引くのを待ってからもう一度たっぷりと与える。二度にわけることで、用土の奥まで水が届きます。でも、その前に必ずやることがある。木を、見ること。

「乾いたら、水をやる」

この言葉は一見、当たり前に聞こえます。でも日々続けていくと、少しずつ意味が変わってきます。

夏は一日三回。春と秋、冬は基本一回。それは目安にすぎない。大切なのは頻度ではなく、自分の目で確かめるというプロセスそのものです。鉢の重さを感じてみる。用土の表面に触れてみる。葉が少しうつむいていないか、確認してみる。その積み重ねが、やがて「今日はこれで大丈夫」という感覚になっていく。マニュアルではなく、対話。水かけとはそういう習慣なのだと思います。

木からのメッセージを読む

水やりを続けていると、ある日、気づくことがあります。表面の水がなかなか引かなくなった。鉢底から流れ出るのが遅くなった。これは失敗ではありません。木が、春の植え替えに向けて準備を始めているのだと、そっと知らせてくれているのです。

黒松は幹肌が命です。強い水圧が当たると皮が傷む。だからホースの水流は柔らかく、丁寧に。ゴヨウマツは高山の植物です。真夏の午後の強い日射しは、そっと遠ざけてあげたい。水の問題が、じつは置き場の工夫で解決することがある。木を観察していると、そういうことが少しずつ見えてきます。

毎朝の問いが、感覚を育てる

盆栽の水かけは、作業ではなく観察です。木の前に立ち、状態を確かめ、必要なだけ与える。それを毎日続けていくと、いつかある朝、水やりのついでではなく、木を見るために外に出ている自分に気づくかもしれません。

その変化が、盆栽の始まりなのかもしれません。

「初級:歩 -Ayumi-」の旅路は、会員登録から始まります。

旅をはじめる