棚作りの基本

中級:馬 -Uma- 針金掛け

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針金掛けが終わった後の「棚作り」。枝の向きと高低を整えるこの作業には、美しさだけでなく、弱い芽に光を届けるという目的があります。後ろ枝の上げ方から針金の効きの確認まで、手と目で確かめながら進む工程です。

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Uma / Fune
棚作り 針金かけ ★★ 黒松

棚をつくる、本当の理由

針金掛けが終わった後、作業はもう一段あります。枝の向きと高低を整える「棚作り」。仕上げの段階に見えますが、目的はただ美しく整えることではありません。

枝を広げる最大の理由は、弱い芽に光を届けることです。棚を整えることで、光が内側まで届く。光が届けば、勢いを失いかけた芽が息を吹き返す。美しい形は、光が行き届いた後に自然についてきます。

美しさと生育は、別々の目標ではない。そう気づいたとき、棚作りという工程がまた少し違って見えるかもしれません。

後ろ枝は、意図的に上げる

平面的に枝を並べると、正面から見たときに樹が薄く見えます。後ろの枝を少し持ち上げることで、奥行きが生まれ、全体にボリュームが出てきます。意図的に段差をつくること——それが、棚に立体感を与える核心です。

枝と枝の間隔を均等に。枝先を最も低く置く。後ろは上げ、前はメインに寄せ、末端で外へ広げて扇型をつくる。放射線状に、コンパクトに締め込む。言葉にすると規則のように聞こえますが、体が覚えるまでのあいだ、それは仮の地図にすぎません。

仕上がった棚は、「ぼやっとした広がり」ではなく、緊張感のある整然とした形をしています。コンパクトさの中に広がりがある——その矛盾を両立させることが、棚作りの難しさであり、面白さです。

手が覚えるまで、何度でも

棚を整えた後、枝を軽く触ってみます。動くようなら、針金が効いていない。掛け直して、また触る。確認と掛け直しまでが、棚作りのひとまとまりです。

棚作りは、頭で理解するより先に、手が覚えてしまうことがあります。正確な知識を持っていても、実際に枝を触らなければわからないことがある。繰り返しの中でしか届かない感覚というものが、盆栽には確かにあります。

何回でもトライできる、ということは、何回でも樹に向き合えるということでもあります。触るたびに、少しずつ手が覚えていく。その積み重ねの先に、「自然と整う」という感覚が待っているのかもしれません。

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