国風展出品を2ヶ月後に控えた真柏の、最終調整です。棚からはみ出た枝や、下に垂れ下がった葉を丁寧に剪定することで、枝先が自然に持ち上がり、木全体が生き生きとして見えてきます。展示の舞台へ向かう、静かな仕上げの歩みです。
枝を整えるとき、見ているのは一本の枝ではありません。棚全体の輪郭——塊として、その形が空間にどう収まるかを見ています。
盆栽の枝作りは、棚の積み重ねで形をなしていきます。それぞれの棚が独立した塊として整ってはじめて、全体が意味をもつ。棚が乱れれば、どれほど細部に手をかけても、木は締まりません。
棚からはみ出た枝、下に垂れ下がった葉——それを丁寧に取り除いていくと、残った枝先が自然に上を向きます。木全体が、すっと背筋を伸ばすような瞬間です。
余分を引いたとき、初めて見えてくるものがある。
展示前の剪定は、正面から見えない位置と角度でハサミを入れます。切り口が茶色くなることは最初から織り込んでいる。だからどこで切るかよりも、どう切れば見えないかに注意が向く。
後ろに伸びる覗き枝は、乱れではありません。正面からは見えないその枝が、奥行きと立体感をつくっている。裏が表を支えている。
本来、国風展への出品は数年がかりで樹を熟成させるものです。今回は5月から始めた、異例の道のりでした。それでも半年の管理が実を結び、葉のボリュームが充実した状態になっています。
理想を知りながら、今ある状態の最善を選ぶ。展示直前に鉢替えを行うことを見越して、今日の作業はここで収める。節度を守ることも、判断のうちです。
針金がかかったまま出品する——その選択の中に、完成のない旅を歩む、静かな覚悟があります。
「上級:舟 -Fune-」の旅路は、会員登録から始まります。
旅をはじめるコメントを投稿するにはログインしてください。
コピーしたアドレスをメールやメッセージアプリに貼り付けて、BONSAI JOURNEYを友人に紹介しましょう。
It is a lovely tree, I hope I can see it at the Kokofu ten next month. Do you know if it is in the first or second part of the show?
The juniper tree featured in our video will be displayed during the first part of the Kokofu-ten exhibition in early February.